「三毛猫ホームズ」のシリーズと言えば、赤川次郎さんの人気シリーズの一つですね。
私も高校生の頃に「三毛猫ホームズ」のシリーズは片っ端から読み漁っていましたよ。
今回は、そんな三毛猫ホームズシリーズの1作目「三毛猫ホームズの推理」を読んだ感想やおすすめしたい人や理由、さらにドラマ化の内容や小説との違いについてご紹介したいと思います。
ぜひ、最後までご覧くださいね!
Contents
三毛猫ホームズの推理を読んだ感想は?
それでは、早速「三毛猫ホームズの推理」を読んだ感想からご紹介していきます。
この「三毛猫ホームズの推理」は、非常に長いシリーズの第1作目です。
冒頭はホラー小説っぽい雰囲気で、読んでいてどこか耽美なイメージさえ抱きました。
全体的にシリーズ後半の軽妙洒脱さはそこまで前面に出ていませんが、重厚な内容で面白いです。
ヒロインを猫と位置付けるか、人間と位置付けるのかにより判断は異なると思いますが、主人公と出会うことで大きく状況が変化するため、どちらもヒロイン扱いでいい気がします。
読んでいて純粋に引き込まれる文章はさすがだと思いました。
伏線の張り方も絶妙で、最後まで読んでいてあっと驚かされる部分がとても多いです。
登場人物の中でとにかく女性が魅力的に描かれているのも、面白いところだと思いました。
脇役に至るまで誰一人としてキャラかぶりをしていないだけではなく、それぞれ違った魅力を持っているのも面白いポイントです。
トリックについても当時はとても斬新だったと思いますし、今でも通じる部分はあると感じました。
実現できるかどうかはともかく、ユニークですし実現できそうと思わせてくれる表現力の高さも魅力です。
昭和に書かれている作品でありながら、主人公が令和の時代ならどこかにいそうだと思わせてくれそうなところも、面白いと思います。
時代的な背景から古臭く感じられる部分はあるかもしれませんが、それを補って余りあるトリックや表現力は今でも通じる作品だと思いました。
三毛猫ホームズの推理はこんな人に薦めたい!
ここでは、「三毛猫ホームズの推理」をおすすめしたい人やその理由についてまとめてみました。
この作品は、18歳以上で推理小説を初めて読む人におすすめしたいです。
ミステリーとしての必要な要素が全部入っているだけではなく、読んでいて爽やかで読後感が良いこと、シリーズ物の最初であるため1冊ですべて完結していること、電車の中で毎日少しずつ読み進めれば読み終えられる量などがおすすめできる理由です。
ホラーなテイストや本格物の雰囲気もありながら全体的にさらっと読めるから、ミステリー未経験者でもスムーズに読めると思います。
特に猫が好きな人、小悪魔っぽい女性が好きな人はおすすめです。
普段はさえない男性が意外と活躍するなど、ラノベに近い雰囲気もあるため、ラノベが好きな人なら抵抗なく読めるのではないかと思いました。
スムーズに読めるだけではなく、ミステリーとしての要素はしっかり入っているから、ミステリー初心者なら目を通して損はないです。
特に、トリック部分や登場人物たちのスラップスティックな雰囲気は読んで楽しめるのではないかと感じました。
昭和の時代の中でも愛人バンクなどが台頭する1980年前後の日本の世相や、当時の風俗環境などをもわずかながら知ることができるため(当時を知る人に聞いたことがありますが、女性週刊誌などで女子大生売春について取り上げられていたようです)、時代小説という部分もありますが、それを補って余りあるエンターテイメントとしておすすめできます。
三毛猫ホームズの推理のドラマ化は?小説との違いについても!
「三毛猫ホームズの推理」は、何度かドラマ化されています。
そこで、そのドラマ化されている作品ごとに違いや感想についてご紹介していきます。
ちなみに、ドラマ化された際の主人公役の俳優の名前を記載しています。
石立鉄男版
- 小説との違い:改変が激しく、晴美の出番が著しく少ないです。また、吉塚雪子の出番が多くなっています。
- 感想:面白くないわけではありませんが、全くの別物です。当時のテレビ局や芸能界の事情があってシリーズにするうえでの改変だったのだろうと推測できますが、原作の良さを期待すると肩透かしの印象を抱きます。
陣内孝則版
- 小説との違い:1作目から石津が出ていて違和感が強いです。三田村が脳腫瘍ではなく、愛娘を殺害された過去を持つ人物にされていました。
- 感想:視聴したのがかなり昔だったのであまり細かく覚えていません。ただ、晴海の雰囲気が原作とはかけ離れた作品になっていた気がします。著名な監督の作品だったためか、函館の映像がきれいでした。
相葉雅紀版
- 小説との違い:なぜか兄がいます。連続ドラマにするうえで色々あったのだろうと推察できますが、課長が栗原警視、先輩刑事が根本な上に性格が改変されていました。売春組織が詐欺組織に、ホームズをかわいがらないうえに悪役になった森崎、ホームズの化身がマツコ・デラックス、石津の登場など改変が多くなっています。
- 感想:ホームズの化身という存在や兄への違和感が強かったです。ある程度時代の面で改変しなければならない部分で組織の変更などは理解できますが、小峰についてなどは少将違和感が強かったです。
感想については個人的な感想なので、参考程度にして頂ければと思います。
まとめ
今回は、三毛猫ホームズの推理についてご紹介しました。
「三毛猫ホームズの推理」は、ホラー的な雰囲気を持ちながらも重厚な内容が魅力で、ミステリー初心者にもおすすめです。
登場人物の個性やトリックの斬新さが際立ち、昭和の時代背景を感じさせつつも現代に通じるエンターテイメントとして楽しめます。
ドラマ化においては、各版ごとに原作からの改変があり、それぞれ異なる解釈が見られますが、原作ファンには期待外れの印象を与えることもあるため、見る際には注意が必要かもしれませんね。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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