「セーラー服と機関銃」は、1980年代に発表された赤川次郎さんの小説で、主人公の女子高生が偶然にもヤクザの抗争に巻き込まれる物語です。
この物語は、彼女がセーラー服を着たまま、非日常的な世界で成長していく様子を描いていて、青春と暴力、友情が交錯する中で、彼女の決断や葛藤が物語の核となっています。
今回は、そんな「セーラー服と機関銃」を読んだ感想やおすすめしたい人、そしてドラマ化や映画化についてもご紹介したいと思います。
ぜひ、最後までゆっくりとご覧ください。
セーラー服と機関銃を読んだ感想について!
早速、「セーラ服と機関銃」を読んだ感想からご紹介したいと思います。
私がこの作品を手に取ったきっかけは、何といってもそのタイトルですね。
タイトルに並ぶ二律背反な単語に興味を持ち、また薬師丸ひろ子さんの映画のシーンが印象的だったので高校生の時にこの作品を読みました。
女子高校生が親が亡くなったことがきっかけでヤクザの組長になる、という設定で展開されるストーリですが、ファンタジーでフィクションだと分かっていながらもリアルな当時の社会が描かれていて、ついつい読み進めてしまう青春ミステリーです。
当時の時代背景を考察すると、学園紛争の世代が社会に対する怒りを行動にしてきたものの、その社会の中で挫折し何をしてもダメなんだという諦めに近い、世の中がどこかニヒルな雰囲気を醸し出していたように思います。
この作品の主人公・女子高校生の星泉ちゃんに、その怒りを代弁させているような気がしました。
キャラクターも身勝手な大人に対してきちんと自己主張をする芯の強い女の子で、機関銃をぶっ放すシーンは読者のその怒りをぶちまけてくれた代弁行為なのだとさえ感じました。
時代こそ違いますが、この作品を通じて、「人生で大きな壁にぶつかった時、社会に対して或いは特定の個人に対して怒りや不満を覚えた時、どう乗り越えていくべきか」を教示してくれるような作品だと思いました。
セーラー服と機関銃をおすすめしたいのはこんな人!
ここでは、「セーラー服と機関銃」をおすすめしたいのはこんな人!としてご紹介したいと思います。
この「セーラー服と機関銃」は、あらゆる世代の方におすすめした作品だと思いました。
赤川次郎先生へのインタビュー記事で、当時小学生からもファンレターが来たというくらいですから、読者層が幅広いことを感じます。
ティーンズの読者にとっては同世代としてどう大人や社会に立ち向かっていくのか、社会人の若い世代にとっても「年を取るということこういうことなのだ」と疑似体験ができるのかと思います。
時代背景こそ1980年代のため異なる点は多いけれど、日ごろの生活から抱える怒り、憎しみ、もっとシンプルにストレスを発散してくれるような作品ではないでしょうか。
ストレス社会の現代、とくに人間関係や社会のシステムの不合理さに対してマイナスの感情が全く無いという人はいないはずですので、2020年代の今におすすめしたい作品ですね。
私自身は、私の親世代が感じていた当時の社会に対する怒りを代弁してくれるような主人公の星泉ちゃんに感情移入する人も少なくなかったのではないかと考察しています。
赤川次郎という著名な小説家が著名になる出世作だと思います。
文字からあふれ出す女子高校生の若さと行動力、ヤクザという実社会ではあまり触れることのない世界をちらっと覗けるような名作です。
セーラー服と機関銃のドラマ化や映画化は?
赤川次郎氏の出世作である本作品は、何度もドラマや映画化されています。
一番有名なのは、薬師丸ひろ子さん主演の1981年に公開された映画でしょう。
機関銃をぶっ放して「カ・イ・カ・ン」というシーンは、パロディも含めたら、誰もが一度は見たことがあるのではないでしょうか。
小説ではストーリー重視ですが、この作品はとにかくアイドル薬師丸ひろ子さんをリアクション芸人ばりに使い倒してるのが特徴です。
ブリッジで登場し、クレーンに吊るされたり、酒を盛られて襲われそうになったりと、原作のイメージを良い意味で壊してくれました。
さらに、2021年には新たにドラマ化され、TBS系列で放送されました。
ドラマ版では、長澤まさみさんが主演を務め、現代の視点で物語が再構築されていました。
まとめ
今回は、「セーラー服と機関銃」についてご紹介しました。
この小説は、女子高生が親の死をきっかけにヤクザの組長となるというユニークな設定で、当時の社会をリアルに描いた青春ミステリーです。
幅広い世代に共感を呼び、ストレス社会の現代にも通じるメッセージを持つ作品として、今なお多くの人におすすめです。
また、何度もドラマ化や映画化もされていますし、特に薬師丸ひろ子さん主演の映画はそのアイドル性を活かした新たな魅力を持っているかと思います。
ぜひチェックしてみてください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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